はじめに
GQuuuuuuX(ジークアクス)の評判を聞き、一部見直しも含めて鑑賞した。動画配信サービスの恩恵もあり最初のガンダムいわゆるファーストから、ファースト映画3部作、Z、ZZ、逆襲のシャアまで。1979年から1988年まで約10年間の作品群だ。学生時分にはZZの序盤で挫折し、途中までしか履修できなかった。そんな必修単位を何十年か越しに取れた気分だ。だが、改めてガンダムシリーズがここまで脈々と続いている事実にまず驚く。ガンダムという単語は、一作品を示す言葉からひとつの様式、ジャンルに昇華している。
ミノフスキー粒子
もうひとつ今回改めて噛み締めたのはガンダムのSFとしての設定、ミノフスキー粒子だ。何を今更感もあるが、宇宙空間で発見されたミノフスキー粒子は通信電波を妨害する。結果、誘導ミサイルの類は正確に目標物を狙えず無効化された。そのため、宇宙空間を含む戦争は直接的な白兵戦が中心となった。ただ、宇宙服を着た人間同士ではなく、人間が操縦するパワードスーツ同士の戦いがメインであり、モビルスーツ同士が戦う世界観が成立する。これは、スポンサーであるおもちゃメーカーから売れる商品となるデザインを求められた結果でもあるらしい。
以下、おおまかに作品別の感想。
ファースト
ガンダムシステムとでも言えるような基本の形式を開発した。戦争や人間関係の喪失を通して葛藤し成長する少年〜青年像、少年や大人を含む群像劇、戦争や政治における(正義と悪ではない)正義と別の正義の戦い、戦争の虚しさ、宇宙に進出する人類の進化。複数のテーマが重奏するが、地球連邦からの独立を図るジオン公国の面々がキャラクターとして魅力的にすぎる。また、富野節ともいうべき台詞回しも冴え渡っており、おっさんネットミームの宝庫だ。映画3部作の微妙な変化も楽しい。
Zガンダム
ファーストに比べてより男女の関係性に焦点があたりより悲劇的だ。シャアやシロッコ、ヤザン、ジェリドなど、なんだか女性をダメにするホストクラブのよう。より大人向けの物語なのかと思えば、強化人間というモビルスーツの戦闘力は高いが情緒に問題があるキャラクターも登場し、心の置きどころに悩む。だが歴史の繰り返し感、ファーストとの自己相似的な構成は感慨深い。
ZZガンダム
Zの反動が強すぎたせいなのか、全体的に明るいもとい軽い、そしてなんだか子供同士のやりとりがうるさい。反戦でも男女でもなく、妹を思う兄の話のようで、毎回読み切りのような散逸的なテーマに感じられ腰が座らない。ハマーンが出てくると少し引き締まる。オープニング映像にしか出てこないシャアというのも肩透かしである。
逆襲のシャア
富野のフラストレーション?が爆発したような快作否怪作である。ファーストやZを経たアムロとシャアの相剋の末だが、ララァに母を見たというシャアは結局気持ち悪いなと思いました。
さて、これ以降のガンダムシリーズ鑑賞を継続するか、悩ましいところではあるが、ジークアクスへの道のりはなかなか遠い。
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